コンビニ弁当と和食器

最近の巷の話題と言えば、「中国餃子事件」でしょう。
餃子のみならず、中国産の食物に大いに注目が集まっています。
特に外食産業はその多くが中国産の冷凍食品を使用しているため、深刻な影響が出ているそうです。

以前、東京のとあるお店に自前の器を持って営業に伺ったことがあります。
そのお店は靖国神社近くのさる有名店で、器に詳しい方なら良くご存知のお店です。
へんぴな田舎にいては誰も注目してくれないので、自分で売り込みに行った訳ですね(^^ゞ

突然お邪魔したに関わらず、お忙しいオーナーがたまたまいらっしゃって、快く応対してくださいました。
早速、僕の器を見ていただきました。

オーナー曰く、「基本的にはよい。技術もしっかりしている。でもこれでは売れない。」

お話を伺うと、
今はコンビニ弁当を買って来て済ましてしまう時代だ。誰も料理なんかしない。
君の器は料理を自分でする人には最適だが、コンビニ弁当でいい人には難しい。
自分が言う通りに作れば、必ず売ってあげる。
ということでした。

僕はお時間とっていただいた謝意をお伝えしながら、丁重にお断りしました。

確かに、オーナーさんの言われることは正しいのかもしれません。
しかし、だからといってコンビニ弁当に合せて器を作ることが正しいのでしょうか。
いや、それでいい器が作れるのでしょうか。
僕にはそうは思えませんでした。

お客様のニーズに応えること、それは当たり前のことではありますが、自分のポリシーに反してまで仕事を曲げることは、僕はしたくはありません。
ニーズがおかしいと思えば、その自分の考えに嘘をつきたくはありません。
もちろん、常に自分の考えが本当に正しいのかどうか、考える必要はあります。

僕も、やむなくコンビニ弁当を食べることはあります。
コンビニ弁当が美味しい!と思って毎日食べている人も、本当は少ないのではないか、と思ってもいます。

食は命を支えるものです。
料理をすることは、本来食べ物のありがたみを直接感じる手段でもあります。
そのことをおろそかにした結果の今回の輸入食物問題でもある気がします。

僕は、食を大切にし、命の尊さを感じられる方に八十一の器を使っていただきたいと思います。
また、多くの方にそのことを感じていただける様な器作りを目指して、頑張って行こうと思っています。

ある日の夕方


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