今日、若い友人が旅立っていった。ママチャリで。
彼の名は、増嶋太志。
岐阜出身で、宮崎中央新聞社に2年勤めた。
2年の契約満期を迎えそして、1年を掛けて全国を回り、新聞配達をすることにした。
そして、全国の手仕事をしている人たちを訪ねたい、のだと。
その最初の訪問先として、陶房八十一を選んでくれた。
彼が、安易にヒッチハイクとかではなく、自分の足を旅の手段として選んだことに、まずは拍手を送りたい。
しかも、彼は敢えてお金を持たずに旅をする、という。
人の縁を頼りに旅をしてみたいのだ、と。
昨今、フェイスブックで宿を募ったりヒッチハイク相手を募ったりして、旅をしている人たちのタイムラインをシェアする人が少なくない。
それどころか、振込先まで公開し、募金を募ったりもしている。
彼らが何をしようが、正直どうでもいい。僕には関係のない話だ。
しかし、友人たちが彼らに同調している姿を見ると、ちょっと待てよ、とは言いたくなる。
若者がいろんなことで悩むということは、いつの時代にもあることだ。今の若者だけが特別に悩んでいるわけではないし、誰もがネットという便利なツールを使って発信しているわけでもない。
僕が若い頃には、ネットやSNSどころか携帯すらなかった。そんな状態で、みんな一人、ある意味孤独に悩みそれを乗り越え、乗り越えようと努力してきたわけだ。
そういう目からみると、「僕は今こんなことに悩んでるんです。葛藤してるんです。いろんなことを考えながら、旅をしてるんです」というパフォーマンスを「商売にしている」ようにしか映らない。
報酬が金銭だけでなく、宿泊だったり移動手段である、というだけだ。
で、言ってることも、正直言うと大した事ない。
個人的には、詐欺に近いもの、と思っている。
増嶋太志も、ちょっと引っかかてたんですよね、とつぶやいた。
そして彼は、ママチャリを選んだ。
これからの1年間、彼に何が起こるのか、誰も知らない。
どこかでのたれ死ぬかもしれない。その前にリタイアするかもしれない。
何れにしても、第一歩を踏み出した彼に、賛辞を送りたい。
がんばりや、ふとす。