究極の回転

回転の極意とは、バランスに有り。前後左右上下に均等に加重されると、極めて激しい動きの中にあって、そこにひとつの静寂が現れる。

ろくろの話ではない。

我が家の二層式洗濯機、東芝 GINGA4.5 2011年製の、脱水槽のことである。

10年ほど前に、壊れた全自動洗濯機を買い替える際に、母が二層式を望んだのが発端である。昭和世代の方々にはお馴染みの、洗濯槽と脱水槽が別になっているタイプである。作りは極めてシンプル。洗濯槽では回転を交互に変えるモーターと、ある種暴力的な脱水槽のブンブン振り回すモーターの2つがこの機械の心臓である。電子機器は一切、ない。かろうじてタイマー機能があるくらいだ。

何せ構造が単純だけに、滅多なことでは壊れない。また、洗濯と脱水が同時にできるので、大量に洗濯をするときには都合がいい。そんなこんなで、当初は、え〜!今時信じられへん!と言っていたかろうじて昭和世代の嫁さんも愛用している。尋ねたことはないが。

この脱水槽、アナログにも程があり、洗濯槽から、キツく絡み合った洗濯物を手で脱水槽に移し、しかも縦長の脱水槽の中で綺麗に中心をとって詰めないと、大変なことになる。もう、壊れるんじゃないかと思うくらいガタゴトと洗濯機が揺れかしみ、しまいには動き出す始末。必死に抑えたりすることもある。

そうならない様に、まず洗濯槽で洗濯物を軽く揺する。そうすると絡み合っていたものが次第に解けてくる。そうした上で、移す。移す時も真上から中心を狙って、落とす。かつ、左右にバランス良く配置してやる。

そうやって慎重に段階を踏んだ上で、スイッチを兼ねたタイマーを回す。みゅぅぅんと静かに回り出し、びぃぃいんと心地良い回転音に変わる。動かない。全く、動かない。

1回の洗濯で都合3回回すのだが、二層式のプロともなると当然のことながらパーフェクトを目指す。パーフェクトが首尾よく成った日は、朝から機嫌が良いのは言うまでもない。

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