日本の夏 宮崎の峠2021 3日目

7月29日、朝。昨夜は諸塚村の中学校隣、森の民宿樹の里さんにお世話になった。諸塚に泊まるのは6年前の七ツ山の諸塚山渓流の里キャンプ場以来のこと。宿に泊まるのは初体験だった。

当初は池の窪キャンプ場を考えていたのだが、事前に日之影町役場で確認でしたところ、予定していた県道209号から日諸峠へのルートが完全通行止め、とのこと。選択肢は県道50号しかなく、ルート沿いにある樹の里さんにした次第。タイミングよく?県の「ジモ・ミヤ・タビキャンペーン」で半額だった。

気持ちの良い宿だった。料理はこの日も米良サーモンの刺身を始め、猪肉、手打ちそばなどなど。え?まだ出てくるの?と思ったほど、美味しい料理が次から次へと提供され、大満足。しかもその日は息子さんの誕生日、と言うことでレタス巻きのおまけ付き。
電話で予約した際、宴会が一件入っているが大丈夫か?と断られたが問題ないとお答えした。なるほど、18時前に宿に着いた時にはすでに8名の方々が楽しくやっておられた。

風呂と洗濯を済ませ、食事も終わる頃、宴会中の地元の方々からあんたも焼酎一杯どんげね?とお誘いを受けた。なかなか諸塚の人たちと交流することもないので、正直なところは疲労困憊で早く寝たいところだったが一杯だけ、とご相伴に預かることにした。
聞くと、年に1、2回近所の年配の方々(最年少71歳)でここに集まってやっている、とのこと。中には長年町長を務められたという方も。
しかもその方の息子さんはなんと私と同学年、1日違いの誕生日。延岡でアウトドアのインストラクターをされているという。27日はうちの奥さんの誕生日だったし、偶然?と言うほどでもないかもしれないが、それでも妙な縁を感じた。

お仲間の一人、甲斐さんに明日行く予定のルートの話を伺う。峠手前2kmは結構きついけんど、それまでは平地と変わらんが〜、という。
流石に皆さん早い時間から始まっていたからか、だいぶいい感じで21時過ぎにはお開きに。お見送りをした後床についた。が、意外と暑かったのと、体が疲れ過ぎてなかなか寝付けなかった。

森の民宿樹の里

宿の女将さんにまたまたわがままを聞いていただき、6時に食事にしていただく。7時半出立。

「平地と変わらん」というのは最初の1kmほどで、疲れの溜まった体にだんだんキツくなってくる傾斜が響いてくる。峠手前2kmまで、平均勾配3.1%、最高9.9%、18kmの行程だよ。諸塚の人の言う平地とはなんだ?
諸塚、すごい。
ところで、出勤通学ラッシュだったので数台の車とすれ違ったのだが、驚いたことに、全ての車が止まってこちらを待ってくれた。決して道が狭かったわけではない。だいたい田舎の人たちは親切ではあるが、こんなことは諸塚だけだ。
諸塚、すごい。

甲斐さんの言う通り、峠の手前から急登が始まる。走りはじめは重ダルだった体も、少し調子は出てきた。膝も痛みはあるものの、大丈夫そうだ。

10時過ぎに日諸峠着。一応、生きていることを写真付きで嫁さんに報告する。

峠で県道209号と合流。高千穂側に少し下ったところから右折し、日之影の街を目指す。

道は狭く、落石多し。ガードレールもないところがある。生活道路として、日之影と諸塚の町を結んでいるはずだが。慎重に下る。50分ほどで五ヶ瀬川に出る。

ここから北方の街までは快適に飛ばす。ちょうどお昼に街に着く。Aコープでおにぎりを補給。ようやく半分の行程が終わった。

R218はこれまで何度も走っているので計算が立ったが、ここから先は未踏の道。楽しみだ。
県道20号を五十鈴川を目指す。山越えをしたらR388だ。
五十鈴川沿いを下っていく。子供の頃、ずっと下流にある小園というところによく泳ぎに行ったものだ。
今回はそこまで行かず、西門川で山の中に入っていく。途中、川内集落にある「ふれあいの里」でお茶をしていた方々に、これから向かう山中峠を尋ねる。最近いっちょっらんねー、山中峠?そんげな名前があっとな? 地図にそう書いてあるのですが・・・

西門川で五十鈴川から三ヶ瀬川を上る県道へと入る。事前に時間規制があることは分かっていたので、早くと気が急いていたが解除中、だった。峠までは約10kmの行程だ。緩やかな登りを川沿いを軽快に走る。
めちゃくちゃ気持ちいい。

300mほどの急登を上り切ると峠だった。15時、山中峠着。
峠には何も、ない。

中山峠

峠には何もないが、隠れ里のような集落から、山を越えた集落まで、いにしえの頃から人々が行き来したであろう姿が偲ばれる、素晴らしい峠道だ。小さいながらも、峠の名にふさわしい。

さて、この県道225号を耳川にあるR327まで下る。道の駅とうごうで休憩を取ったのち、R446をこの日の宿泊地、坪谷「牧水公園」を目指す。疲れはピークに来ている。

今回唯一のキャンプ。だったらこの日も宿を取ればいいのに。という野暮は置いておこう。飯、炊かなきゃ。

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