宮崎県綾町。1960年代半ばにして「照葉樹林は日本の文化の原点」の考えのもと、伐採の危機にあった日本最大級の照葉樹林の山を保護。その後国定公園に認定される。
町を上げての「有機農業の町」「手作り工芸のムラ」づくりによって、全国の町興し運動の先駆となる。
現在では、「綾の森」を世界遺産に登録しようという運動も盛ん。 平成24年7月、ユネスコエコパークに登録される。
延岡から綾に来て、その水の美味しさに驚かされました。 延岡も水郷として名高い町なのですが、それ以上なのです。 本当に、水を飲むだけで幸せになれます。こんなことにも、森の恩恵を感じることができます。
綾の森に一歩足を踏み入れると、怖いくらいの雰囲気に圧倒されてしまいます。 映画「もののけ姫」の森、といえばイメージしていただけるでしょうか。
学生時代に全国あらゆる地方の山々に出かけた経験から言っても、綾の森ほど怖い森はありません。 まさしく、神々が宿る森なのです。
そんな森の懐に抱かれた綾の町は、どこかほっとできるような場所なのです。
決して風光明媚なところではありません。まして温泉が出る訳でもありません。
しかし、ああ、ここで暮らせてよかったなあ、としみじみ感じることができます。 故筑紫哲也さんが、最後まで綾を愛したのもうなずけます。
そんな森の恵みを日々感謝しながら、作陶しています。