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チビートトラバース2018夏7、8日目〜元猿海水浴場〜美々津石波川キャンプ場〜綾

7月19日木曜日。5時前に起床。なかなか寝付けなかったので、ちょっと寝坊してしまった。

朝食の定番は、棒ラーメンに餅を一個。
スープとカロリー、塩分を一度に摂取でき、しかも調理は短時間で済む。
しかも、どちらも日持ちもし、携帯に便利。


持参した1升の米も、だいぶ消費して軽くなった。

朝の6時前。漁の船は4時前から出港していた。
遠くに見えるのは深島か。
元猿海水浴場へはこの看板を目印に。
蒲江町商工会ご苦労様です。

6時過ぎに出立。
R388を延岡を目指す。

丸市尾というところで、県道122号線へ。R388は山へ、122号線は海沿いの道だ。

R388から県道122号線へ。
こんな感じの気持ちいいシーサイドロード。交通量もまだ少ない。

名護屋湾をぐるっと回った先には、この日一つ目の急登が待っていた。
坂を登ると、展望台があった。7時45分。

日豊海岸は有名なリアス式海岸。ということは、海沿いの道は結構急峻なアップダウンの連続だ。
朝から疲れたぜ。
深島が近くなってきた。

上りがあれば下りがある。下った先は、波戸津海岸だった。
ここの松林は見事だ。

ここのキャンプ場は一度泊まってみたい。

東九州道波戸津インター横を抜け、道は山へと入っていく。

総じて走りやすい。
いよいよ宮崎県、延岡旧北浦町に入る。8時40分。

県境の峠までは、なかなかの登りだ。しかし、交通量も少ない割に道も綺麗で、気持ち良い。
峠を下り始めてすぐ、猿の群れと遭遇する。集団で道を横切っていた。
上りの時には出会いたくないものだ。

9時15分、再びR388と合流する。

このような広域観光マップがある。
登っては下りてを繰り返す。景色は良い。
砂浜が綺麗な下阿蘇海水浴場。

9時48分、下阿蘇海水浴場着。道の駅北浦にて休憩。
時間は早いが、すでに疲労が蓄積している。気温もかなり高い。
塩ソフトを試す。美味しいけどなあ、ちょっと高いかな。
舗装路が続くと、クロスブラスターが逆に恨めしくなってくる。スピードが出ない。
時間が早いので、浦城の方を回ろうかとも考えたが、安全策をとる。予定の美々津までは90kmの行程だ。決して遠くはないが、この暑さでは無理はすまい。

R388を進み、最後の急登、浦城トンネルへとかかる。
新しく広い道は、日陰がない。太陽がジリジリ照りつける。まだ10時だぜ。

延岡市街に入り、R10へ。コンビニで補給。

延岡のシンボル、旭化成の煙突と愛宕山を、延岡大橋から望む。

10号線を南下し、土々呂へ。私が育ったところだ。
海浜運動公園で、昼食にする。
ここは小学生の頃、黒潮キッカーズ(チームは今もあるみたい)の一員として、ホームグラウンドして利用し、また土々呂中学校サッカー部で何度も他校との練習試合をした、青春の地。
久しぶりだなあ。

あの頃は子供の数も多く、隣接する市営プールは連日賑わっていた。
今はすっかり朽ち果ててしまっている。

ブリ見山と椿山
土々呂港
海浜運動公園
土々呂の漁港

更にR10を進み、門川町、日向市細島へ。

細島港には、飛鳥IIが停泊していた。
小倉が浜

伊勢ケ浜から小倉浜大橋をわたって、再びR10へ。

美々津では、美々津大橋を車道ではなく歩道/自転車道を行く。少々遠回りだが、橋の上で止まって耳川や美々津港の風景をゆっくりと堪能できるので、お薦め。

日豊線の美々津の踏切では、たまたま豪華旅客列車ななつ星号に出会った。

15時過ぎ、石波川キャンプ場着。
今回は貸切。さっそく、石波川に入る。水がぬるい。

お薦めのキャンプ場の一つ。
やっぱりカタツムリ。

走行距離 88.8km

7月20日金曜日。さて、綾へ帰ろう。

朝方の風は心地よい。
R10に出てすぐ、宮の下交差点を左折。県道302号線を、旧リニアモーターカー実験線跡沿いに南下する。

尾鈴の山々は雲に隠れていた。
川南駅では上りと下りの新旧?にちりんが止まっていた。
早くも稲刈りも始まった田んぼもあった。新富町にて。

今回持参した物で、これまで活躍していないものが一つだけあった。
GOAL ZEROである。
結果的に、持参した二つのモバイルバッテリーで十分足りた。道中、何度この”お荷物”を恨めしく思ったことか。
というわけで、ほとんで使い切ってしまった1000mhのバッテリーを充電しながら走ってみることにした。

しかし、これがうまく行かなかった。
どうやら、走行中にコードが外れてしまったらしい。
バッテリー側の差し込み口に段差があり、深く刺さっていない。これでは振動で外れてしまう。
加えて、台風の接近によってこの日は雲が多く(午後には雨になる)、発電量も小さかったこともある。

ダメじゃん。

結論として、10日以内の旅ならば、ネット接続を多用しなければ(フリーwifi利用のみ)モバイルバッテリーで事足りる。

新富から西都を目指し、県道40号線で10時過ぎ帰綾。
当初の予定とは違ってしまったが、旧交を温める旅はそれはそれで有意義だった。
それにしても、ひむか神話街道恐るべし。

走行距離 64.1km
総移動距離 526.2km

今回の教訓 旧道峠は、秋冬に攻めるべし。

チビートトラバース2018夏6日目〜白水鉱泉〜朝地〜緒方〜R10〜蒲江

7月18日水曜日。今日も暑くなりそうだ。
カナディアンヴィレッジは本当に、お薦め。安くて居心地が良い。また来たい。連泊してよかった。

この日はひとつ、心配事があった。行程についてだ。
これまで、1日の距離がさほど稼げていない。初日の疲労と、連日の暑さのためだ。これまでのペースだと、豊後大野市(旧三重町)までか。そうなると、適当なキャンプ場がない。
まあ、公園や屋根付きバス停、無人駅、橋の下、寝ようと思えばどこでも寝られるのだが、キャンプ場は安心して休むことができる=疲労回復できる。それが期待できないのは、今の状況ではきつい。

まあ、なんくるないさ。

6時に出立。

あけぼの。やうやう白くなりゆく山際
黒岳が見えてきた。

久住の北側から東側へと、山を下りていく。これまで登ってきた標高を一気に消化するダウンヒルだ!

県道621号線を降って行く途中にある、白水(しらみず)鉱泉に立ち寄る。
天然の炭酸水が飲める。有料だが、試飲は無料。美味いよ。

へえ、キャンプ場もあるんだ。

しばらく行くと、県道621号から離れ、旧直入町長湯温泉方面、本峠を目指す。

今回の旅の目的、「旧道峠を行く」のひとつ、本峠。
こちらの記事を参考にした。
峠コレクション「本峠」
大分の山・登山記「本峠」
記事によれば、何とも旅情を掻き立てる峠ではないか。とても楽しみにしていた。

7時半。旧道入口に案内は特にない。
本峠トンネル入口手前にそれらしき道。反対側のガードレールに半ば朽ち果てた道案内板があり、それと察する。

しかし、1kmほども行くと、薮に行く手を遮られる。

峠コレクションの記事は冬だったので、薮もさほどではなかったのだ。残念だが、撤退を決める。
時期を選んで来るべきだった。

旧道の名残
庄内側本峠入口
濃い薮が待ち受けていた。これくらいはひるまず進む。
しかしあえなく撤退。

気を取り直して、先を急ぐ。
本峠を回避したので、距離が稼げる。今日中に豊後大野の先までいけるかもしれない。

アップダウンを繰り返しながら、R422まで出る。
朝地まで下り、県道46号を緒方のR502まで辿る。

場所が定かでないが、R502に出る手前くらいか?遠くに見えるのおそらく傾山。

10時くらいに道の駅「きよかわ」に着く。
ここまで来れば、蒲江まで行けそうだ。そのためには、もう一つの旧道峠、R10の中の谷峠も諦めなければなるまい。当然、暑さにも十分留意した上でだ。

旧三重町の延岡方面へ向かうR326との合流点の交差点の傍にあるローソンで、昼食を調達する。
33年前はこの道を延岡へ帰った。当時、まだまだR326が「酷道」の時代だった。
峠の麓にある蓮乗寺さんで、お堂の軒下を借りて一夜を過ごした。ご住職が気持ちよくお貸しいただいたのだが、大きな仁王像の前で一人シュラフにいると、ミミズクが屋根裏を寝床にしており、驚かされた。ビクビクしながら過ごした夜も、今となってはいい思い出だ。

しばらく進むと、再びR326と502は分岐する。R502を旧野津町のR10との合流点まで進む。

R326が整備され、東九州道が開通してから、R10はめっきりと交通量は減った。おかげで、自転車は比較的走りやすい。

が、この日の暑さは厳しさを増す。この日の大分の最高気温は36.3度だったらしい。

暑さに体力を削られながら、中の谷峠付近へ。
峠コレクション「中の谷峠」
記事は逆から峠を攻めている。時期を見て来てみたい。今回はトンネルを通って先を急ぐ。

佐伯の町に入ったのは15時くらいだったか。
買い出しを済ませる。明るいうちには蒲江に着ける。
しかしここから最後の登りが待っている。

R388を蒲江を目指す。
体力的にもきつくなってきたところに、斜度10%の登りだ。嬉しくなってくるぜ。

16時20分、蒲江の海に着く。
行動食は取っていたものの、腹が減りすぎている。しかし、蒲江では清水マリンさんで食事を取ろうと決めていた。
清水マリンさんも、「みちくさ」の異業種交流会でお知り合いになった。

まだかまだかと、空腹に耐えたながらも海沿いを進むと、あった。看板はあるが、お店はちょっと目につきにくい。
が、ここの魚料理はお薦め。味も量もハンパない。料理の写真は食べるのに一所懸命で、ない。現地で確認の程を。
食べ過ぎて、1時間ほど動けなかった。
異業種交流会で知り合い、久しぶりに(10年ぶり!)お会いしたお嬢さんと、お女将さんとのおしゃべりも楽しかった。

結局、お店を出たのは19時過ぎ(笑)

この日は高平キャンプ場に泊まるつもりだったのだが、16時までしか電話が通じず、元猿海水浴場に変更。
キャンプ場ではないが、トイレと水道が使える。

蒲江の海だ!
清水マリン。生簀が目の前、新鮮な魚は絶品。
元猿海水浴場
今は閉鎖したマリンカルチャーセンターが見える。
20時前でもほのかに明るい。

景色は良かったが、暑さでなかなか眠れなかった。

走行距離120km

チビートトラバース2018夏2日目〜旧南郷村神門〜椎葉〜服掛松キャンプ場

7月14日土曜日。昨日はゆっくりとお風呂に浸かって疲れを癒した。近くのエーコープの弁当の夕食だったが、夜は早々に休み、朝4時起床。
さっさと宿を立ち、「森の駅きじの」まで移動。そこで朝食とトイレを済ます。なぜ?自炊だから。

いちもり旅館。もう利用することもあるまい。
森の駅きじの

昨日の疲れはだいぶ取れてはいるが、完全には程遠い。今日も峠をできれば3つ越えたいところだが、災害状況と暑さと疲労度合いによっては柔軟に対応するつもりだった。

R388を北西に進む。途中、鬼神野キャンプ場跡に立ち寄る。なるほど。荒れている。トイレなし。炊事場跡あり。川の側なので水には困らない。野宿は可能だ。自己責任で。
ひむか神話街道に沿って大河内より椎葉を目指す。

中山トンネルまでの登り。

現在では中山トンネルが開通し、かなりの時間短縮になっているが、旧道である中山峠を目指す。しかし、朝も早よから10%越えの坂であるよ。

中山トンネル

トンネル手前左から旧道へと入る。
入るといきなり、荒れている。と、入口に車を止めている登山?猟?準備をしているカップルに尋ねてみた。
聞くと、沢登りに来られた、とのこと。道は行ってみなくてはわからない。

こんな感じで、10数mおきに土砂倒木が道を遮っていた。

中山トンネルもそんなに古くないはずなので、旧道もそこまで荒れてないだろう、という希望的観測はまったく外れ、ほとんど使われていないのだろう。国見峠より状態は悪い

峠の手前1kmほどで、完全に土砂で埋まっていた。
担いで越えられないことはなかったが、こちら側でこれだと、椎葉側はもっとひどい可能性が高い。本当に進めなくなったら、引き返さなければならない。そのリスクを考え、ここで撤退することにした。
本来ならば、中山峠から尾崎峠へと抜けたかったのだが、この様子では復旧は望めそうにない。
日常的に使われない道には、行政も手間をかけない。

こうやって、旅情を湛えた旧道は忘れらていく。

完全にふさがれている。
ここまで登ってきたのに・・・

こんな時はクロスブラスターの恩恵をしみじみ感じる。大荷物のダートにも安心だ。しかし、道路には野バラが魔の手をそこかしこに伸ばしており、手足に無数のトゲを刺す羽目に。

トンネルまで戻り、椎葉を目指す。中山トンネルは片側一車線で広くはないが、交通量が少ないため、不安はなかった。
トンネルを抜けて更に登る。途中、水場がある。美味い!

ありがたやありがたや
弓木の天地神水、というらしい。

耳川まで一気に下る。
途中の集落に、鐘があった。

なんのための鐘だろう?通信用だろうか?

なんだか毎年のように椎葉に来ているが、椎葉に来たらあそこに寄らねばなるまい。
10時には「椎葉山の語り部」さんへ。
亡くなられたご主人の中瀬さんとも、「みちくさ」の異業種交流会つながりであった。

お母さんのお蕎麦をいただくのが楽しみ。

11時。そろそろ日差しも厳しくなってきた。先を急ごう。
R265を旧蘇陽町馬美原を目指す。
できれば国見峠を行きたかったのだが、事前に役場に問い合わせたところ「完全に通行不可」とのこと。残念。
素直にトンネルにする。しかし、このトンネル、嫌なんだよなあ。狭いし。長いし。しかもこちらからだと登りだし。

トンネルまでの道は、初めは木陰もあり良かったのだが(きついけど)、トンネルが近づくにつれ、幅広の新しい道路となってくる。
つまりは、日影が、ない。たまらん。しかも傾斜も更にきつくなる。
トンネルにたどり着いたのは既に12時45分だった。

国見トンネル

いつもならいや〜なトンネルだが、この日ばかりはその涼しさがありがたい!生き返る!
なが〜いトンネルが終わる頃には、もう終わっちゃうの?と後ろ髪を引かれる思いさえした。

国見峠の入り口には「完全通行止め」の看板が
いよいよ熊本県に入る。

五ヶ瀬町鞍岡の街を抜け、熊本県に入った。この道も、もう何度も通ったのだが、県境を越える時は、いつもなぜかわくわくする。
14時ごろ、馬美原の街へ到着。
陽はまだ高いが、疲労も溜まっており、何しろこの暑さ。ビールを仕入れて、キャンプ場へと向かう。

服掛松キャンプ場は一昨年に続き2度目なので、ここからそんなに遠くないはず、と思っていたのだが足が重くなかなかたどり着かない。

服掛松キャンプ場

ここはお薦め。安い。綺麗。広い。モンベル割引あり。
ただし、この日の様に連休などに掛かると、ファミリーキャンパーも多数。隣の家族連れが夜遅くまで騒がしかった。楽しいのは結構だが、自分の家と同じ感覚で来られると、正直、迷惑。ま、いいけど。

夜もなかなか涼しくならず、寝付けなかった。

走行距離70.4km
平均速度12.4km/h

チビートトラバース2018夏1日目〜ひむか神話街道

今年でいよいよ五十路を迎えることになった。というわけで(?)その祝いに、ツーリングに出かけてきました。7月13日の金曜日のことだ。

本当は、四国は石鎚山を目指す予定だったのだが、西日本豪雨災害のために通過予定だった大洲市始め広い範囲でいまだ復旧されていない状況。予定を変更してひむか神話街道を経由して阿蘇方面を目指す、峠越えの旅とした。
被災された地域の方々に、この場にてお見舞い申し上げます。

綾の自宅を8時過ぎに出立。先ずは西都からひむか神話街道を目指す。

日差しは既に強い。しかし、今日は距離はさほどの予定ではないので、のんびりと行く。
今度の旅の新しい相棒として、初オルトリーブ。さすがに定番。使いやすい。
今回は長丁場、ということで持参する米も一升。さすがに重い。
また、熊本地震の時に「いざという時のために」購入したGOALZERO(ゴールゼロ) ガイド10プラスモバイルキットも持参してみた。ちなみに僕がモンベルストアで買った時は2万円以上だったので、1万円はお買い得。
自宅でモバイルバッテリーやiPod Touchを充電するには十分の実力だが、旅で使ったことがなかった。というわけで、実戦投入してみる。加えて、2種類のモバイルバッテリーも持参する。
ガラケーと、カメラとミュージックプレイヤー役のiPhone5用である。


これは実際は10000mhのひと世代前のものを持参した。

1時間半ほどで杉安到着。
昨年のぼんさん越しツーリングと同じく、タイヤは前がパナレーサークロスブラスター700×31c、後ろがパナレーサーグラベルキング700×32cのコンビ。


路面を選ばない、という点では何の心配もいらないコンビだが、高速でコーナーに入る時、空気圧が低下しているとグニュとした感じになる。大荷物もへっちゃらだが、なんせスピードは期待できない。ネチッとした感触。悪くはない、んだけど。

西都市杉安付近。
かつての国鉄妻線跡がサイクリングロードになっている。

R219を順調に進み、大椎葉トンネルへ。

連日の大雨より杉安ダムも放流していた。
大椎葉トンネル

ここからいよいよ尾八重の山道へと入っていく。
この道、ずっと昔に車では通ったことがあったのだが、その時の印象もかなりのものだった。現在は行われていないようだが、「激坂ヒルクライム」も行われたらしい。どのくらい凄いかと言うと、このくらい。是非ルートラボページで斜度を確認してほしい。高低図を、測りたい部分をドラッグすると距離と斜度が出てくる。
最高地点が971m、そこまでが15.3kmで平均斜度が7.8%。嘘かまことか、場所によっては22%という表示も出る。少なくとも、16%はある。

はっきり言うと、人生最大級にきつい登りだった。昨年のぼんさん越しの時もそのように感じだのだが、かる〜くその上を行く。ルートラボによれば、ぼんさん越しの場合、不土野郵便局から峠までの道のりは、最高地点1486 m、距離16km平均斜度6.1%である。一目瞭然。

印象深い「激坂」といえば、二十歳の時の北海道は富良野から大雪山キャンプ場の登りだが、あの時の装備とは比べ物にならないほど、今回は重い。あの時は二人で荷物を分け合ったが、今回は単独のフルキャンピング装備である。ほへ。

坂を登れば展望は抜群
とにかく水がない。
もうすぐ、のはずがなかなか着かない。

登り始めが10時20分。尾八重牧場跡にある眺望館に着いたのは13時だった。
注意すべき点は、大椎葉トンネルを抜けてすぐに水場があるが、それ以降、ない。たいてい沢水があるものだが、大雨の後にかかわらず、道沿いにはチョロチョロとしたところしかない。加えて、自販機はまったくない。
眺望館まで行けば自販機くらいあるだろう、と思っていたらまったくの無人でここに自販機はない。かろうじて、トイレの水道が使える。おそらく山水だろうから、飲用もできるはず。もちろん、ありがたくいただいた。
軽装備のロードならともかく、重装備でこの道を超える際には水は多めに持参したほうが良い。特に夏場は。

8%近い坂が延々と続き、太ももの裏側が早くも悲鳴を上げている。時速は5〜6km。
下界では記録的な酷暑。しかし日差しは強いものの、木陰も多く、風は涼しい。

ようやく尾八重牧場跡に到着。
眺望館には誰もいない。
避雷針が不気味に聳え立つ。

動悸が収まらない。
ここから更に登りは続く。

展望だけは素晴らしい。しかし、喘ぎ声が山間にこだまするようだ。

ああ、そうですか。

 

峠手前のあずまや。

あずまやで休憩。13時50分。峠までもうすぐ。しかしこの時点で精も根も果てていた。激しい呼吸が10分くらい休憩したくらいでは、とても収まらない。なんてこった。

よくぞ登ってきた。

しかし涼しいなあ。

この時点で、今夜の宿の心配を始めた。予定では、旧南郷村神門から少し上流にある鬼神野(きじの)キャンプ場跡にでもテントを張ろうか、と思っていたのだが、買い出しに神門の街まで行く必要があることと、これから下りとはいえ、もう一つ峠越えが待っていた。
予定では、今回のツアーはトンネルではなく、旧道の峠をできるだけ行く、というコンセプトだったのだが、早くも初日で頓挫することに。だって疲れたんだもん。無理。

今度は激坂を豪快にダウンヒル。

と言いたいところだが、スピードは上がらない。いや、斜度は凄いんだけど、疲れがピークでスピードに付いていけない。慎重なブレーキングで下っていく。
とにかく県道39号線まで降り、古園集落で自販機で冷たいコーラを流し込む。
普段ならまずコーラなんか飲まないが、冷たく手っ取り早く糖分が取れるのはありがたい。
しばしの休憩後、峠へ向かいR388へとでる。16時くらいだったか。

R388に出たところに、「森の駅きじの」がある。
立派なトイレはあるがどうやら無人のようだ。元気があれば、ここで一泊してもいいが、とにかくこれから長丁場、ここでこの日の疲れを少しでも回復しておかないと、旅の途中で帰らなければならなくなる。
というわけで、神門の旧知の旅館「南郷旅館」に部屋を求めることにする。

自分的には、これは大英断だ。宿を取るなんて。
お金を使えば済むところを、敢えて自分の力でやり抜く、というのが自分の旅のスタイル。たかだか自転車ツーリングでも、日頃のモノにあふれた現代日本の生活では忘れがちな己の野生を少しでも取り戻すためだ。
しかし、今回はそうは言っていられない。
また、南郷旅館の坂本柾夫さん(先代のご主人)は、「みちくさ」の異業種交流会で知り合ってから20年近く年賀状をやり取りさせていただいている。この機会に旧交を温めるのも、また旅の楽しみというものだ。

というわけで、南郷旅館を目指す。おお、あったあった。

「こんにちはー」とあいさつすると、誰もでてこない。あれ?
何度か呼ぶと、坂本さんがひょこりと顔を出された。
「あいにく今日はお休みです」
なんと。従業員は誰もいない、とのこと。残念。

というわけでpart2、近所の「いちもり旅館」に宿をとった。

走行距離74.8km
平均速度12.5km/h
最大速度56.5km/h