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チビートトラバース2018夏1日目〜ひむか神話街道

今年でいよいよ五十路を迎えることになった。というわけで(?)その祝いに、ツーリングに出かけてきました。7月13日の金曜日のことだ。

本当は、四国は石鎚山を目指す予定だったのだが、西日本豪雨災害のために通過予定だった大洲市始め広い範囲でいまだ復旧されていない状況。予定を変更してひむか神話街道を経由して阿蘇方面を目指す、峠越えの旅とした。
被災された地域の方々に、この場にてお見舞い申し上げます。

綾の自宅を8時過ぎに出立。先ずは西都からひむか神話街道を目指す。

日差しは既に強い。しかし、今日は距離はさほどの予定ではないので、のんびりと行く。
今度の旅の新しい相棒として、初オルトリーブ。さすがに定番。使いやすい。
今回は長丁場、ということで持参する米も一升。さすがに重い。
また、熊本地震の時に「いざという時のために」購入したGOALZERO(ゴールゼロ) ガイド10プラスモバイルキットも持参してみた。ちなみに僕がモンベルストアで買った時は2万円以上だったので、1万円はお買い得。
自宅でモバイルバッテリーやiPod Touchを充電するには十分の実力だが、旅で使ったことがなかった。というわけで、実戦投入してみる。加えて、2種類のモバイルバッテリーも持参する。
ガラケーと、カメラとミュージックプレイヤー役のiPhone5用である。


これは実際は10000mhのひと世代前のものを持参した。

1時間半ほどで杉安到着。
昨年のぼんさん越しツーリングと同じく、タイヤは前がパナレーサークロスブラスター700×31c、後ろがパナレーサーグラベルキング700×32cのコンビ。


路面を選ばない、という点では何の心配もいらないコンビだが、高速でコーナーに入る時、空気圧が低下しているとグニュとした感じになる。大荷物もへっちゃらだが、なんせスピードは期待できない。ネチッとした感触。悪くはない、んだけど。

西都市杉安付近。
かつての国鉄妻線跡がサイクリングロードになっている。

R219を順調に進み、大椎葉トンネルへ。

連日の大雨より杉安ダムも放流していた。
大椎葉トンネル

ここからいよいよ尾八重の山道へと入っていく。
この道、ずっと昔に車では通ったことがあったのだが、その時の印象もかなりのものだった。現在は行われていないようだが、「激坂ヒルクライム」も行われたらしい。どのくらい凄いかと言うと、このくらい。是非ルートラボページで斜度を確認してほしい。高低図を、測りたい部分をドラッグすると距離と斜度が出てくる。
最高地点が971m、そこまでが15.3kmで平均斜度が7.8%。嘘かまことか、場所によっては22%という表示も出る。少なくとも、16%はある。

はっきり言うと、人生最大級にきつい登りだった。昨年のぼんさん越しの時もそのように感じだのだが、かる〜くその上を行く。ルートラボによれば、ぼんさん越しの場合、不土野郵便局から峠までの道のりは、最高地点1486 m、距離16km平均斜度6.1%である。一目瞭然。

印象深い「激坂」といえば、二十歳の時の北海道は富良野から大雪山キャンプ場の登りだが、あの時の装備とは比べ物にならないほど、今回は重い。あの時は二人で荷物を分け合ったが、今回は単独のフルキャンピング装備である。ほへ。

坂を登れば展望は抜群
とにかく水がない。
もうすぐ、のはずがなかなか着かない。

登り始めが10時20分。尾八重牧場跡にある眺望館に着いたのは13時だった。
注意すべき点は、大椎葉トンネルを抜けてすぐに水場があるが、それ以降、ない。たいてい沢水があるものだが、大雨の後にかかわらず、道沿いにはチョロチョロとしたところしかない。加えて、自販機はまったくない。
眺望館まで行けば自販機くらいあるだろう、と思っていたらまったくの無人でここに自販機はない。かろうじて、トイレの水道が使える。おそらく山水だろうから、飲用もできるはず。もちろん、ありがたくいただいた。
軽装備のロードならともかく、重装備でこの道を超える際には水は多めに持参したほうが良い。特に夏場は。

8%近い坂が延々と続き、太ももの裏側が早くも悲鳴を上げている。時速は5〜6km。
下界では記録的な酷暑。しかし日差しは強いものの、木陰も多く、風は涼しい。

ようやく尾八重牧場跡に到着。
眺望館には誰もいない。
避雷針が不気味に聳え立つ。

動悸が収まらない。
ここから更に登りは続く。

展望だけは素晴らしい。しかし、喘ぎ声が山間にこだまするようだ。

ああ、そうですか。

 

峠手前のあずまや。

あずまやで休憩。13時50分。峠までもうすぐ。しかしこの時点で精も根も果てていた。激しい呼吸が10分くらい休憩したくらいでは、とても収まらない。なんてこった。

よくぞ登ってきた。

しかし涼しいなあ。

この時点で、今夜の宿の心配を始めた。予定では、旧南郷村神門から少し上流にある鬼神野(きじの)キャンプ場跡にでもテントを張ろうか、と思っていたのだが、買い出しに神門の街まで行く必要があることと、これから下りとはいえ、もう一つ峠越えが待っていた。
予定では、今回のツアーはトンネルではなく、旧道の峠をできるだけ行く、というコンセプトだったのだが、早くも初日で頓挫することに。だって疲れたんだもん。無理。

今度は激坂を豪快にダウンヒル。

と言いたいところだが、スピードは上がらない。いや、斜度は凄いんだけど、疲れがピークでスピードに付いていけない。慎重なブレーキングで下っていく。
とにかく県道39号線まで降り、古園集落で自販機で冷たいコーラを流し込む。
普段ならまずコーラなんか飲まないが、冷たく手っ取り早く糖分が取れるのはありがたい。
しばしの休憩後、峠へ向かいR388へとでる。16時くらいだったか。

R388に出たところに、「森の駅きじの」がある。
立派なトイレはあるがどうやら無人のようだ。元気があれば、ここで一泊してもいいが、とにかくこれから長丁場、ここでこの日の疲れを少しでも回復しておかないと、旅の途中で帰らなければならなくなる。
というわけで、神門の旧知の旅館「南郷旅館」に部屋を求めることにする。

自分的には、これは大英断だ。宿を取るなんて。
お金を使えば済むところを、敢えて自分の力でやり抜く、というのが自分の旅のスタイル。たかだか自転車ツーリングでも、日頃のモノにあふれた現代日本の生活では忘れがちな己の野生を少しでも取り戻すためだ。
しかし、今回はそうは言っていられない。
また、南郷旅館の坂本柾夫さん(先代のご主人)は、「みちくさ」の異業種交流会で知り合ってから20年近く年賀状をやり取りさせていただいている。この機会に旧交を温めるのも、また旅の楽しみというものだ。

というわけで、南郷旅館を目指す。おお、あったあった。

「こんにちはー」とあいさつすると、誰もでてこない。あれ?
何度か呼ぶと、坂本さんがひょこりと顔を出された。
「あいにく今日はお休みです」
なんと。従業員は誰もいない、とのこと。残念。

というわけでpart2、近所の「いちもり旅館」に宿をとった。

走行距離74.8km
平均速度12.5km/h
最大速度56.5km/h