8月8日。4時起床。手早く朝食を済ませる。連日の日差しのおかげで、午後に洗濯した衣服もすっかり乾いている。
台風一過の朝は、とても気持ちが良い。
相変わらずテン場から遠いトイレには、巨大な蛾がいた。
ヤママユガ、らしい。
ヤママユガといえば、ヘッセの小説が小学校か中学校の教科書に載っていたことを思い出す。印象深い物語だった。
早朝の海岸線を走る。(ハマショーのラストショーのようだな)
以前、車で走ったときに、一度自転車で走ってみたいと思っていた道だ。気持ちよくないわけがない。
7時半ごろ、伊予長浜を通過。
ここで、何かピピットきたのか、旧道に入ってみた。古い商店街の中を進んでいくと、「長浜大橋」と出会った。現役で動く我が国最古の道路可動橋、だそうだ。
この下流に新しい大橋がかかっているのだけれど、こちらを通って正解。
数日前に、この肱川の上流を走っていたわけだ。
この日の早すぎるメインディッシュ、瞽女が峠(ごぜがとうげ)が近づいてきた。もちろん、新しいトンネルなどはスルーする。
8時15分、磯崎トンネル手前で案内板を発見。
予定ではトンネルを抜けた先から登り口に入るつもりだったのだが、入口が分からない可能性があったため、案内板に従うことにする。これが間違いの元だった。
この瞽女が峠、いつも参考にさせていただいている「一点透視派百峠」さんの記事を参考にプランを組んだのだが、少々古い記録だったので、安全策をとった、つもりだった。
しかし実際走った道は、記事中にある「別に林道の近道」だったらしく、こちらは現在割と荒れていた。ヤブが道路を覆い、落石、枝の類が散乱していた。
国道から入ってすぐは急坂が続く。その後も所々10%越えの箇所がある。
途中、不注意に小石に乗り上げてしまったのだが、嫌な踏み方したなー、と思った、のだった。
9時15分峠着。標高はさほどないが、結構登りがいのある峠だった。
それにしても、予定通りの道を通っていればなあ。後の祭りとはこの事だ。
気を取り直して下りに入る。これがまた気持ちよかった。
平家谷そうめん流しというものがあるらしく、午前中にもかかわらず、数台の車が止まっていた。
それを過ぎてしばらく行くと、みかん山と集落を通り過ぎ、R378の新しいトンネルの出口と合流する。
峠を越えて雰囲気が一変する、自転車旅ならではの味わいを楽しむ事ができた。
いよいよ八日ぶりの八幡浜港だ。ついこの間なのに、なんだか懐かしいものだ。
11時過ぎには着いたのだが、フェリーの出発に少々時間がある。余裕だな。
と、切符を買って愛車の元に戻ってみると、パンクをしているではないか。峠の上りでの悪い予感が当たったわけだ。余裕がなくなったではないか。
そそくさとチューブ交換を済ませ、なんとか乗船に間に合う。パンクしたチューブは船内で修理する事にする。
こんな事になるくらいなら、やはりタイヤを交換してくるべきだったのだ。
慌ててチューブ交換をしたので汗だくで、手が汚れたまんまで乗船。
行きと違って、夏休み真っ最中だからか、家族連れでほぼ満員。身の置き所に困る。
人目を気にしながら、パンク修理に取り掛かる。うーん、大丈夫かな?まあ、もういい加減パンクしないだろう。
いつもならば、1回のツアーでパンクが1回あるかないか、なのに今回は既に2回目だ。
これがまた間違いの元だった。
2時間の船旅で、簡単な昼食と睡眠をとり、暑い午後に備えて冷房の恩恵をたっぷりと味わう。
14時過ぎ臼杵港着。
ここで懐かしい友人と再会。大分が誇るプログレミュージシャン(違うって)、フラッシュくんだ。
臼杵に住んでいる、と知ってはいたものの、臼杵つったって、広いよね〜と思っていたら、何と港の対岸に住んでいるらしい。しかも、この日はたまたま健康診断で仕事が休み、だったそう。
しばし、フェリー乗り場の待合所で扇風機にあたりながら歓談する。元気そうで何より。
さて、今日はどこまで行こうか。日程を考えると、微妙な距離だ。この時間だと、延岡までは遠すぎるし。
とりあえずR10を行こう。
まずはR502でR10を目指す。
途中、案内板に従い、筒井というところで近道?に入ったが、自転車ではあまり意味がなかった。
野津でR10と合流、ここからは去年も走った道だ。道の駅やよいを目指す。
無事、18時まえに到着。地元スーパーで買い出しを済ます。
ところで道の駅やよい、お風呂はあるわ、向かいのコインランドリーはあるわ、素晴らしい。営業時間外だったが、水族館まである。
具体的にどこに泊まったのかは、伏しておく。とある軒下をお借りした。ゆるい風があり、虫もアリ以外はなく、朝まで涼しく過ごせた。
本日の走行距離 92.3km